オードリーのオールナイトニッポン10周年全国ツアー in 日本武道館

どこかに書いておきたかったので、こんなブログを引っ張り出して書いています。

2019年3月2日土曜日、私は日本武道館にいた。「オードリーのオールナイトニッポン10周年全国ツアー in 日本武道館」に参加するためだ。
今世のチケット運を全て注ぎ込んで番組最速先行でチケットを勝ち取った日が2018年10月7日(結果発表は16日)であるから、実に約5ヶ月もの間武道館当日に思い焦がれていたことになる。
 
ライブの内容については、私が言及するまでもなく各種ニュースサイトを参照してほしい。楽しい時間でした。本当に。私の武道館アリーナ処女を捧げられたことを誇りに思います。ありがとうございました。

さて、10周年である。
5周年のときにはショーパブ祭りがあったけれど、5年前の自分はまだ今の自分と地続きという感じで、ちらりと振り返ればすぐに戻れる気がした。
でも10年ともなれば、地続きというのは変わりないけれど人生の中の時間としてとても大きいもののように思う。
私個人のことでいえば、10年というのは高校生だった私が高校を卒業し、大学に入学し卒業し、社会人になり寿退社するくらいの期間である。
正直なところ、10年間毎回欠かさずオールナイトニッポンを聴いていたかというと……嘘である。そもそも初回放送の時点では(その当時からお笑いは好きでテレビでオードリーは見ていたけれど)、オードリーのオールナイトニッポンの存在自体を知らなかった。実際にリトルトゥースと言える期間は、見栄を張ってもせいぜい5〜6年くらいだ。
でもこの10年間、病めるときも健やかなるときも、リトルトゥースの土曜の夜にはオードリーがいてくれていた訳である。
そしてそれは22000人分以上の土曜の夜が10年間あったという意味でもあり、アリーナから見渡した満員の武道館がそのことを証明していた。
(余談だが、初めてオードリーのオールナイトニッポンを聴いたのは東日本大震災の直後の放送だった。ちょうど放送日に誕生日だった私は、当時の災害の雰囲気もあり冒頭の漫才は本当に本当に嬉しかったしCHA-LA HEAD-CHA-LAとええねんが大好きな曲になった)

オードリーは格別に優しい訳じゃない。ありがとうとは言うけれど、私たちに手を振ってわざとらしく媚びたりは絶対にしない。トークゾーンだって漫才だって、若林さんは終わった瞬間にすぐ帰る。そういうタイプの人間だ。
だからといって、踏ん反り返って驕っている訳でもない。「俺たちで武道館なんか埋まるのかな?」というやり取りに「いやいやいやいやいや自分ら武道館どころかたまアリでもパンパンになるくらいやろええ加減にせえよ」とリトルトゥースなら誰もが何度も思ったことだと思う。
じゃあなんでこんなにも大好きで応援しているのかと言われれば、漫才できっちり返してくれるからだと思う。一番大きいものは漫才だけど、目敏く見逃さないチャレンジ(「簡単なことじゃない」ので武道館では出来なかったけど)や、全力で暴れるひろしのコーナーや、とんでもなく高い位置からのドロップキック……そんな色んなオードリーの、体力が有り余ってる子供かというくらい手を抜かないパフォーマンスが大好きだからなんだと思う。ボディビルやフィンスイミングや東大受験と比べてコスパが悪いかもしれないけど、漫才、本当に死んでもやめないでほしい。

ライブ最後の漫才が終わったあと、様々な写真やテレビの映像とラジオ音源と共に10年間を振り返る場面があった。M-1グランプリ2008のオードリー、虎の被り物が嫌で嫌で仕方なくて春日さんに助けを求める若林さん、「俺が見えていいって言ってんすよ。」とスタッフに当たる若林さん、日曜×芸人で号泣する若林さん、日本アカデミー賞でバッキバキに緊張する若林さん、MVSを獲った春日さんと「悔だよ!悔!」と吼える若林さん、ヒルナンデスでIKEAの椅子をぶっ壊すオードリー……全ての場面を新鮮に鮮明に思い出すことができた。以前、オードリーのオールナイトニッポンはテレビのオードリーの歴史だから、というようなことを若林さんが言っていたけれど、本当にそうだと思うし、今もまだこうして続いてくれていることを本当にありがたく思う。
10年経って色んなことがあったけれど、あのときテレビの前で、そして土曜の夜の布団の中で爆笑していた私と今この瞬間に武道館で爆笑している私は紛れもなく同じ人間なんだなぁ、と改めて思い知らされて泣いた。

若林さんが冒頭で「全力で内輪受けやりにきてますから」と言っていたけれど、自分にとって大事で大好きなものがたくさんの人に愛されているのを目の当たりにすることが、こんなに幸せなことだと思わなかった。こんな素晴らしいことがあってもいいんだろうかと夢見心地だったし、この文章を書いている今だってまだ夢見心地だ。今後の人生、いつどんなことが起こるか分からないけれど、もし走馬灯を見ることがあるのならばこの武道館の映像が入ることは間違いないでしょう。

そして最後に、唯一同じ熱量でお笑いの話ができる10年来の友人と一緒に武道館に来ることが出来たことを、本当に本当に嬉しく思う。ありがトゥース。

この先もまた、オードリーのオールナイトニッポンで会いましょう。アディオス。